各々の不安定は、外の事物に対して安定を欲し求める。ただ、不安定は安定が欠けているというわけではないと思う。故に外の事物に対して安定(のようなもの)を得たところで、不安定が安定に変わることはないのではないか。それは、結果的に常に外の事物に対して安定(のようなもの)を欲し求め続けることとなる。
「不安定は安定が欠けているというわけではない」。きっと、各々の安定が安定していないだけに過ぎない。それは外の事物に対して安定を欲し求めているから。外の事物が安定しているという意識が、それと相容れない各々の安定を不安定にさせて均衡を保っている。何故に、それは、各々が安定するために、安定を欲し求めているから。
「不安定は安定が欠けているというわけではない」。不安定を安定と相対的に捉えてしまう人間の性。不安定も安定もあるけどない。
「不安定は安定が欠けているというわけではない」。